アレルギー性鼻炎に対する手術
― 下鼻甲介粘膜焼灼術・後鼻神経切断術 ―
アレルギー性鼻炎は「薬だけでは十分に抑えられない」ことがあります
アレルギー性鼻炎では、
- 強い鼻づまり
- 止まらない鼻水
- くしゃみの頻発

といった症状が、薬物治療だけでは十分に改善しないことがあります。
そのような場合、症状の原因となる鼻腔内の反応を外科的に調整することで、症状の軽減を目指す選択肢があります。
当院では、アレルギー性鼻炎に対する手術として、
- 下鼻甲介粘膜焼灼術
- 後鼻神経切断術
を、患者さんの状態に応じて行っています。
下鼻甲介粘膜焼灼術について
下鼻甲介粘膜焼灼術は、下鼻甲介の表面の粘膜を焼灼し、腫れを抑えることで鼻炎症状を改善する手術です。
比較的短時間で行うことができ、身体への負担が少ない治療法のひとつです。
一方で、アレルギー性鼻炎の性質上、
- 効果の持続期間には個人差があり、時間とともに症状が再燃することがあります
- 状態によっては、治療の効果が十分に長く続かない場合もあります
また、治療の選択や回数については、
鼻の粘膜が本来持っている加温・加湿・防御といった生理的機能を考慮する必要があります。
そのため当院では、症状の程度や経過、他の治療選択肢とのバランスを踏まえ、適応を慎重に判断したうえで行っています。
後鼻神経切断術について
後鼻神経切断術は、鼻水やくしゃみを引き起こす神経の一部を処理することで、アレルギー症状の軽減を目指す手術です。
当院ではこの手術を、
- 粘膜下下鼻甲介骨切除術と同時に施行することで
- 鼻閉と鼻水の両方に対応する
という考え方で行っています。
当院が「末梢での選択的切断」にこだわる理由
後鼻神経は中枢に近い部分で切断する方法もありますが、
- 出血リスクが高くなる
- 術後に強い乾燥感や違和感が出ることがある
- エンプティーノーズ症候群を引き起こす可能性
といった問題が指摘されています。
当院ではこれらのリスクを避けるため、
神経を末梢側で必要最小限・選択的に処理する方法を採用しています。

根元で切断すると
- 出血のリスク
- 将来的なempty nose症候群のリスク
- 痛みが強い(全身麻酔が必要)

選択的後鼻神経切断術
- 出血が少ない
- empty noseの予防
- 痛みが少ない
手術方法と当日の流れ
手術は
- 局所麻酔
- 必要に応じて鎮静薬を併用
して行います。
鎮静薬を使用した場合、多くの方はほぼ眠ったような状態で手術を受けられます。
- 原則として日帰り手術
- ご希望があれば、提携病院で術後1泊入院も可能です
術後の経過・注意点
- 術後しばらくは鼻内の違和感や軽い出血がみられることがあります
- 効果の現れ方や持続期間には個人差があります
- 手術によってすべての症状が完全に消失するわけではありません
症状の経過を見ながら、必要に応じて薬物療法を併用します。
合併症・リスクについて
考えられるリスクとして、
- 出血
- 感染
- 鼻内の乾燥感・違和感
- 期待した効果が得られない可能性
などがあります。
手術の適応や方法は、診察・検査結果をもとに慎重に判断します。
手術を検討される方へ
アレルギー性鼻炎に対する手術は、すべての方に必要な治療ではありません。
薬物治療の効果、症状の程度、生活への支障などを総合的に考慮し、手術が本当に適しているかどうかを判断します。
まずは外来でご相談ください。