先天性耳瘻管摘出術

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先天性耳瘻管摘出術
― 繰り返す炎症を防ぐための治療 ―

先天性耳瘻孔とは

先天性耳瘻孔のイメージ

耳の前などに小さな穴がある状態を先天性耳瘻孔(じろうこう)といいます。胎児期の発生過程に由来する先天的な構造で、皮膚の奥に細い管状の構造(瘻管)が存在しています。日本人では約3〜10%程度にみられるとされ、比較的よくみられる形態です。

瘻孔の位置は主に

  • 耳の前(耳前部)
  • 耳たぶ(耳介)

などにみられます。

必ずしも治療が必要なわけではありません

耳瘻孔があっても症状がなければ治療は不要です一生症状が出ない方も多く、必ず手術が必要になるわけではありません。

しかし次のような症状がある場合には治療を検討します。

  • 排膿(膿が出る)
  • 腫れ
  • 痛み
  • かゆみ
  • 炎症を繰り返す

このような場合には瘻管を摘出する手術が有効です。

なぜ炎症を繰り返すのか

耳瘻孔の内部には皮膚と同じ構造の管(瘻管)があります。
この管の中に

  • 皮脂
  • 角質
  • 細菌

などがたまると炎症が起こり、

  • 腫れ
  • 痛み

といった症状が出ることがあります。
一度炎症が起こるとその後も炎症を繰り返すことがあります。

耳瘻管摘出術

炎症を繰り返す場合には瘻管を完全に摘出する手術を行います。
手術では

  1. ①.皮膚を小さく切開
  2. ②.瘻管を丁寧に剥離
  3. ③.瘻管全体を摘出

 

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①瘻孔の周囲の皮膚を切開

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②瘻管を周囲の組織から剥離

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③瘻管を摘出

 

という方法で治療を行います。
瘻管の一部が残ると再発の原因となるため、慎重な摘出が重要になります。

手術方法

手術方法のイメージ

手術は

  • 局所麻酔
  • 日帰り手術

で行うことが可能です。
手術時間は約30分程度です。

小児の手術について

小児の場合でも30分程度の安静が保てる場合には当院で日帰り手術が可能です。目安として小学校高学年以降では対応できることが多いですが、年齢だけでなく協力度なども含めて判断します。

術後の経過

術後は

  • 軽い腫れ
  • 痛み

がみられることがありますが、多くは数日で改善します。

瘻管が大きい場合には
摘出後に皮膚の下に空間(死腔)ができることがあり、一定期間の処置が必要になることがあります。

当院の先天性耳瘻管摘出術

耳瘻管摘出術は、施設によっては入院・全身麻酔で行われることも多い手術です。
当院では、これまでの耳瘻管手術の経験をもとに多くの症例を日帰り手術で対応しています
耳瘻孔の日帰り手術に対応している医療機関は多くないため、遠方から来院される患者さんも少なくありません

再発について

耳瘻孔は特に

  • 炎症を繰り返している症例
  • 瘻管が複雑な症例

では一定の割合で再発することがあります

手術では瘻管の完全摘出を目指しますが、状態によっては再発する可能性があります。
再度感染を繰り返す場合には再手術が必要となることがあります
当院では再手術にも対応しています。

入院手術が望ましい場合

再発例や難症例では

  • 瘻管が深い
  • 瘻管の範囲が広い
  • 周囲組織との癒着が強い

ことがあります。
このような場合には

  • 顔面神経
  • 周囲血管

などの解剖構造への配慮が必要になるため、全身麻酔・入院手術が望ましい場合があります。
その際には安全性を最優先に、適切な医療機関をご紹介することもあります。

まずは外来でご相談ください

耳瘻孔の状態や炎症の程度によって治療の必要性は異なります

当院では診察を行い

  • 経過観察でよいのか
  • 手術を行うべきか

を総合的に判断します。気になる症状がある場合はまず外来でご相談ください。

よくあるご質問(FAQ)

耳瘻孔は珍しい病気ですか?

いいえ、珍しいものではありません。
日本人では 約3〜10%程度にみられるとされ、比較的よくみられる先天的な構造です。
症状がなければ治療の必要はなく、そのまま問題なく生活している方も多くいます。

押すと臭い液体が出ることがあります。大丈夫でしょうか?

耳瘻孔の内部には皮膚と同じ構造の管(瘻管)があり、
その中に
・皮脂
・角質
・細菌
などがたまることで、臭いのある分泌物が出ることがあります。
症状が軽い場合は大きな問題にならないこともありますが、
腫れや痛み、排膿を繰り返す場合には手術を検討します。

炎症を起こしたときはどうすればよいですか?

炎症が起きた場合には
・抗生物質の投与
・切開排膿
などの治療を行うことがあります。
炎症が落ち着いた後に、再発予防のため
耳瘻管摘出術を検討することがあります。

手術は必ず必要ですか?

必ずしも必要ではありません。
耳瘻孔があっても
・症状がない
・炎症を起こしたことがない
場合には、治療を行わず経過観察することも多くあります。
ただし
・排膿
・腫れ
・痛み
・炎症の反復
がある場合には、手術が有効な治療となります。

手術は痛いですか?

手術は局所麻酔で行います。
麻酔が効いている状態で手術を行うため、
手術中の痛みはほとんどありません。
術後は軽い痛みや腫れが出ることがありますが、
多くは数日で落ち着きます。

子どもでも手術できますか?

可能です。
30分程度の安静が保てる場合には
当院で日帰り手術が可能です。
目安としては
小学校高学年以降では対応できることが多いですが、
個々の状況をみて判断します。

傷跡は残りますか?

耳の前の皮膚を小さく切開して手術を行うため、
小さな傷跡は残ります。
ただし通常は目立ちにくい場所であり、
時間の経過とともに目立たなくなることが多いです。

手術すると再発することはありますか?

瘻管が完全に摘出できない場合には
再発する可能性があります。
特に
・炎症を何度も繰り返している場合
・瘻管の構造が複雑な場合
には再発の可能性が高くなることがあります。
その場合には
再手術が必要になることがあります。
当院では再手術にも対応しています。

手術は入院になりますか?

耳瘻管摘出術は、
施設によっては入院手術で行われることもあります。
当院では
多くの症例を日帰り手術で対応しています。
ただし
・瘻管が深い場合
・再発症例
・手術範囲が広い場合
などには、
全身麻酔・入院手術が望ましい場合もあります。

ピアスは関係ありますか?

耳瘻孔は先天的な構造であり、
ピアスとは関係ありません。

手術はいつ受けるのがよいですか?

炎症を繰り返している場合には
炎症が落ち着いている時期に手術を行うのが望ましいとされています。
状態を診察したうえで、
適切なタイミングをご説明します。

費用

06-6450-5310 WEB予約